さいたま市大宮区の動物病院です。ワクチン、フィラリア、狂犬病の他、椎間板ヘルニア、心臓病、がん、皮膚病、手術、腹腔鏡に力を入れています。

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腹腔鏡手術

腹腔鏡手術とは
お腹に小さな穴を開け、細いカメラを挿入します。画面に映し出されたお腹の様子を観察し、特殊な器具を用いて行う手術です。
 これらの手術は、お腹を大きく切る従来の手術(開腹手術)に比べて、体への負担が少ないため、「低侵襲手術」や「体に優しい手術」とも呼ばれています。
 腹腔鏡下手術(お腹の中だけで全ての手術を行う方法)や、お腹の中での操作に加えて数センチの小さな傷を作り、そこから手や器具を入れて手術を補助する腹腔鏡補助下手術があります。
また、英語では「Laparoscopic surgery(ラパロスコピック サージェリー)」ということから、「ラパロ」と略して呼ばれることもあります。
 
開腹手術と比べて、次のような特徴があります。
傷が小さい:体に残る傷跡が目立ちにくく、手術後の痛みが少ない傾向にあります。
体内環境への影響が少ない:お腹の中の臓器が空気に触れる時間が短く、乾燥しにくいなど、体に優しい環境が保たれやすいため、臓器への負担が少なくて済みます。
術後の回復が早い:手術後の痛みが少ないため、早く日常生活に戻れる傾向があります。 

当院で実施している腹腔鏡手術

・腹腔鏡下卵巣子宮摘出
・腹腔鏡補助下腹腔内潜在精巣摘出
・肝生検
・腹腔鏡補助下膀胱結石摘出
・腹腔鏡補助下腸管内異物摘出
・腹腔内リンパ節生検など
・腹腔鏡下胆嚢摘出術

 
腹腔鏡手術

※ここから先は、実際の臓器の写真が含まれます。
閲覧の際はご注意下さい。

腹腔鏡下での避妊手術(不妊手術)
従来は、2.5kg以上の子を目安に腹腔鏡下での避妊手術を行っておりましたが、
現在では、1kg台の子の手術も実施しております。
院で実施した症例の体重:犬 1.48kg~38.8kg、猫 2.10kg~2.72kg(実績:100件以上)

モニターに映る卵巣の様子

卵巣の写真

従来の開腹手術では、卵巣をお腹の外に引き出し、靭帯(卵巣提索)や血管の処理・切除します。
その際に、卵巣提索(らんそうていさく)を引き延ばすことで痛みが生じます。
腹腔鏡下避妊手術では卵巣提索を体外に引き出すことなく、腹腔内で処理を行います。これにより痛みを軽減できることが、腹腔鏡の最大の利点の一つです。

 手術直後

避妊手術の術創写真

キズは2つまたは3つで、1つのキズ口は5~10mmサイズです。
術後1週間

腹腔鏡抜糸直後1

術後1週間後に抜糸を行った様子です。手術前に毛刈りしたところも産毛が生えはじめています。
※掲載写真は飼主様に使用許可を頂いております。 

子猫の避妊手術
猫の腹腔鏡補助下避妊手術の写真

写真は、術後1週間(抜糸直前)の状態です。
※掲載写真は飼主様に使用許可を頂いております。 

腹腔鏡補助下での去勢手術(潜在精巣、停留睾丸、陰睾)
当院では腹腔鏡補助下の腹腔内潜在精巣摘出は1.0kg以上から実施可能です。

モニターに映る精巣の様子
左潜在精巣


右潜在精巣


従来の方法は、大人の指が2本分が入るサイズを切開し、指の感触で盲目的にお腹の中の精巣を探して摘出します。
腹腔鏡を用いると、簡単にお腹の中の精巣を見つけることができ、必要最低限のサイズの穴で精巣を摘出することができます。
写真の2つの精巣は左右ともに最大直径が1cmにも満たないサイズです。
 

 手術直後

潜在精巣術直後
キズは2つで、1つのキズ口は5~10mmサイズです。
お臍下の穴から、テレスコープ(カメラ)を挿入して、陰部の横の穴からお腹にある精巣(2個)を摘出します。
術後1週間
抜糸直後の写真2

 術後1週間後に抜糸を行った直後の様子です。
※掲載写真は飼主様に使用許可を頂いております。

腹腔鏡補助下での膀胱結石摘出

従来は3から5cmの切開を行い結石を摘出しておりましたが、現在は、結石のサイズによっては、3~5mmと5~10mm程の2カ所のキズで結石を取ることが可能です。
また内視鏡補助下での膀胱結石の摘出は、通常の開腹手術より結石の取り残しが少ないこともメリットの一つとしてあげられます。
Shiaraら(2013)、Singh Aら(2016)を参考
 

モニターに映る膀胱内の様子
膀胱内の結石
 摘出した膀胱結石
摘出した膀胱結石
※掲載写真は飼主様に御許可を頂いております。
モニターに映る膀胱内の様子
膀胱結石 シュウ酸カルシウム
手術直後の術創
腹腔鏡補助下膀胱切開
摘出した膀胱結石
膀胱結石 シュウ酸カルシウムの写真
※掲載写真は飼主様に御許可を頂いております。

腹腔鏡補助下での肝生検

モニターに映る肝臓の様子
肝生検(結節性過形成)

結節性過形成
 
肝生検(肝線維症)

肝線維症
 
肝生検 胆管嚢胞 猫

胆管嚢胞(猫)

※掲載写真は飼主様に使用許可を頂いております。
 
当院では、腹腔鏡下による肝生検を実施しております。
血液検査、画像検査で肝臓の病気が疑われた場合、
従来では、お腹を開いて直接観察し、肝臓の一部を切除して、
組織検査や培養検査などを行っていました。
現在では、お腹を大きく切り開くことなく、2または3つの穴で、
肝臓の組織を採取することができます。
また可視下で行うため、止血の確認や出血に対して対処ができることも利点としてあげられます。

腹腔鏡下胆嚢摘出術
当院で実施した症例の体重:1.1kg~6.5kg

モニターに映る胆嚢の様子

犬の腹腔鏡下胆嚢切除術

※掲載写真は飼主様に使用許可を頂いております。
当院では、従来の開腹手術に加え、腹腔鏡下での胆嚢摘出も行っております。
開腹術の場合は、通常、小型犬では7~10cm程、お腹をしっかり開いて胆嚢を摘出します。
腹腔鏡の場合は、3mm~1cm程の穴が3つと必要に応じて、2~3cm程(胆嚢のサイズによる)の穴1つで胆嚢を摘出します。
開腹術の場合は、執刀は太田が行います。
腹腔鏡の場合は、江原先生(日本獣医内視鏡外科学会 設立認定医)をお招きし、当院で執刀して頂いております。

犬の腹腔鏡下胆嚢切除の手術写真
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